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アパートやマンションの修繕工事では、着工後に当初の見積もりにはなかった補修が必要になったり、予定していた補修数量が増えたりするケースがあります。

 

「見積もりを取って契約したのに、なぜ費用が変わるのだろう?」と疑問に思うオーナーもいらっしゃるのではないでしょうか。

 

追加費用が発生する理由には、工事を進めて初めて分かる建物の状態や、見積もり・契約時の数量の決め方が関係しています。今回は、外壁修繕を例に、その仕組みと追加修繕の提案を受けた際の確認ポイントを解説します。

 

 

工事中に追加修繕が必要になる理由

 

打診棒を使ってタイル外壁の浮きを調査する様子

 

建物の劣化調査は、工事前に目視や打診などを行い、修繕が必要な箇所や範囲を把握するためのものです。しかし、調査できる範囲には限りがあり、すべての劣化を事前に正確に把握できるとは限りません。

 

例えば外壁修繕では、足場を設置した後に外壁全体を詳しく調査し、ひび割れや浮きなどの補修箇所を特定します。浮きとは、モルタルやタイルなどが下地から離れ、密着していない状態を指します。

 

こうした劣化は、目視だけでは判断しにくい場合があります。打診調査では、専用の道具で外壁をたたき、音の違いなどから浮きの有無を調べます。調査結果をもとに補修箇所を図面へ記録し、実際に必要な補修範囲を把握していきます。

 

その結果、当初の想定より補修箇所が多くなることもあります。また、防水工事などでは、既存の材料を撤去してから下地の状態が分かり、補修方法の変更が必要になるケースもあります。

 

追加費用はどのように決まる?

 

一万円札と電卓で修繕工事の費用を確認するイメージ

 

追加費用を理解するうえで知っておきたいのが、「実数精算」という仕組みです。

 

 

概算数量と実数精算

 

外壁の下地補修では、見積もり時点で正確な補修数量を確定できないため、概算数量を設定することがあります。工事中の詳しい調査で実際の数量が分かった後、その差を精算する方法が実数精算です。

 

例えば、ひび割れ補修を100mと見込んでいたところ、調査後に120m必要だと分かった場合、差の20m分について契約で定めた単価などに基づき費用を精算します。反対に、実際の数量が見込みより少なければ、減額となる場合もあります。

 

つまり、実数精算は追加費用を発生させるための仕組みではなく、実際の施工数量に合わせて金額を確定する方法です。ただし、すべての工事が実数精算になるわけではなく、精算の対象や方法は契約内容によって異なります。

 

修繕費全体がどのような要素で決まるのかについては、コラム「修繕費はどう決まるのか」でも解説しています。工事内容や建物の状態によって費用が変わる仕組みを知りたい方は、あわせてご覧ください。

 

 

当初の契約にない工事を追加する場合

 

一方、当初の見積もりに含まれていない工事が新たに必要になった場合は、補修数量の増減とは別に、工事内容や費用を検討します。

 

例えば、予定していた補修方法では対応できない劣化が見つかり、別の工法が必要になった場合などです。どこまでが当初の契約範囲で、どこからが追加工事に当たるのかを整理すると、費用が変わる理由を把握しやすくなります。

 

追加修繕の提案を受けたら確認したい3つのこと

 

建物の図面を見ながら工事内容を確認する様子

 

追加修繕の提案を受けた際は、金額だけでなく、工事内容とその根拠を合わせて確認しましょう。

 

 

1.どこに、どのような劣化があるのか

 

まずは、劣化が見つかった場所と状態を把握します。写真や補修箇所を示した図面があれば、当初の想定と実際の状態を比較しやすくなります。

 

「外壁の補修が増えた」という説明だけでなく、どの部分に、どの程度のひび割れや浮きがあるのかを具体的に確認します。

 

 

2.どのような修繕が必要なのか

 

次に、提案されている補修方法と、その方法が必要な理由を確認します。

 

同じ外壁の劣化でも、状態によって適した補修方法は異なります。今回の工事で対応する必要があるのか、ほかの方法が考えられるのかなど、建物の状態に応じた説明を受けることが判断材料になります。

 

3.追加費用や工期への影響は?

 

費用については、追加される工事項目・数量・単価・金額を確認します。実数精算の場合は、当初の見積数量と実際の数量を比較し、契約で定められた精算方法に沿っているかを見ておきたいところです。

 

また、追加修繕によって工期が延びる場合は、工程や入居者の生活への影響も確認します。足場の設置期間や共用部の使用制限などに変更が生じる場合は、必要な案内についても考慮します。

 

これらの情報をもとに、劣化の状態や修繕の必要性、費用、工期を踏まえて、今回の工事でどのように対応するかを検討します。安全性や建物の機能に関わる劣化については、対応時期による影響についても確認しておくことが大切です。

 

今回の工事でどこまで対応するかを考える際には、コラム「まとめて直す?分けて直す?」も参考になります。複数の修繕を一度に行う場合と、分けて進める場合の考え方を紹介しています。

 

まとめ

 

 

工事中の追加修繕には、詳しい調査によって補修数量が変わる場合や、当初の契約にない工事が新たに必要になる場合があります。

 

追加費用の提案を受けたら、劣化の状態、必要な修繕内容、費用や工期への影響を具体的に把握し、契約内容と照らし合わせながら対応を検討しましょう。

 

 

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