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修繕・リフォーム・リノベーションの違いとは?アパート・マンションの工事を目的別に解説

 

修繕・リフォーム・リノベーションの違いを解説するリノベ・バンクの投稿修繕とは劣化や不具合を直し、建物の状態や機能を回復する工事リフォームとは古くなった部分を直したり、新しいものへ交換したりする工事リノベーションとは既存の建物を活かし、機能やデザインを見直す改修

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アパートやマンションの工事について調べていると、「修繕」「リフォーム」「リノベーション」という言葉を目にします。

 

どれも建物に手を加える工事ですが、それぞれ目的や使われ方には違いがあります。一方で、実際の工事では複数の要素が含まれることもあり、明確に分けにくいケースもあります。

 

違いを知っておけば、建物の不具合を直したいとき、退去後の部屋を整えたいとき、今後の入居を考えて物件を変えたいときなど、工事の目的を整理しやすくなるでしょう。

 

この記事では、修繕・リフォーム・リノベーションの違いと、アパート・マンションの工事を考える際のポイントを解説します。

 

 

修繕・リフォーム・リノベーションは何が違う?

 

 

3つの言葉は、工事の「目的」に注目すると違いが見えてきます。

・修繕:傷んだ部分や不具合を直し、建物の状態や機能を回復する
・リフォーム:古くなった部分を直したり、新しくしたりする
・リノベーション:今ある建物を活かしながら、機能や価値を高める

 

ただし、これらの言葉に統一された明確な線引きがあるわけではありません。特にリフォームとリノベーションは重なる部分もあり、工事会社などによって使われ方が異なることもあります。

 

修繕とは?傷んだ部分を直して建物の機能を回復する

 

外壁の目地にコーキングを施工する修繕工事

 

修繕とは、経年劣化や不具合によって傷んだ部分を直し、本来の状態や機能を回復させるための工事です。

国土交通省では、建築上の「修繕」について、既存のものとおおむね同じ位置・形状・材料などで建築当初の状態へ回復・修復するものと整理しています。

 

具体的な工事としては、次のようなものが挙げられます。

・外壁のひび割れを補修する
・雨漏りの原因となっている箇所を直す
・傷んだ防水部分を補修する
・サビや劣化が進んだ鉄部を補修する

 

修繕の中心にあるのは、建物を新しく見せることではなく、「傷んだ部分を直して必要な機能を取り戻すこと」です。

工事後の見た目が大きく変わらなくても、建物を維持するうえで必要な工事は少なくありません。

 

修繕の種類や規模については、「修繕=大規模工事? 建物修繕の考え方」でも詳しくご紹介しています。こちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

リフォームとは?古くなった部分を直して整える

 

室内の壁紙を張り替えるリフォーム工事

 

リフォームは、古くなった部分を直したり、新しいものへ交換したりする工事に広く使われる言葉です。

アパートやマンションでは、入居者の退去後に行う内装工事などでもよく耳にするでしょう。

 

たとえば、

・ 壁紙を張り替える
・ 傷んだ床材を張り替える
・ 古くなったキッチンや洗面台を交換する
・ 内装をきれいに整える

といった工事です。

 

修繕との境界がはっきり分かれるわけではありません。

不具合や劣化を直して機能を回復するのが「修繕」。それに対して、古くなった部分をきれいにしたり、新しくしたりする工事まで広く含むのが「リフォーム」。

このように目的から捉えると、違いをイメージしやすくなります。

 

築年数を重ねた物件の見た目を整えるポイントについては、「アパートの『古い』印象を改善する方法|築年数より見た目が入居率を左右する」でもご紹介しています。

 

リノベーションとは?今ある建物に新しい価値を加える

 

間取りや内装を見直すリノベーション工事中の室内

 

リノベーションは、既存の建物を活かしながら、機能やデザインを見直し、新しい価値を加える改修を指す言葉です。

リノベーション協議会では、「機能、価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修」と定義しています。

 

アパートやマンションで考えると、

・間取りを現在の暮らし方に合わせて変更する
・和室を洋室へ変更する
・収納を増やして使い勝手を改善する
・水まわりや内装を含めて部屋全体の印象を変える

などが一例です。

 

単に古くなったものを新しくするだけではなく、「これからどのように使われる物件にしたいかを考えて手を加える」。ここが、リノベーションの大きな特徴です。

築年数そのものは変えられません。一方で、間取りや機能、デザインなどは現在のニーズに合わせて見直せます。こうした改修によって、物件に新たな魅力を加えることもできます。

 

 

実際の工事では「修繕+リフォーム」「修繕+リノベーション」もある

 

 

ここまで3つの違いを紹介しましたが、実際のアパート・マンションの工事が、どれか一つだけに当てはまるとは限りません。

 

たとえば退去後の部屋で、傷んだ箇所を補修してから壁紙や床を張り替える。この工事には、修繕とリフォームの両方の要素が含まれています。さらに間取りを変えたり、収納を増やしたりして、これからの入居ニーズに合わせた部屋へ変更するなら、リノベーションの要素も加わります。

 

建物の外側でも考え方は同じです。劣化した部分を補修すると同時に、外壁の色や仕上げを変えて建物の印象を整えるなど、修繕と改修を組み合わせる方法も選べます。

 

「修繕だからここまで」「リノベーションだからここまで」と名称だけで工事範囲を決めるより、「今必要な工事と、これからの物件に必要な改善を分けて考える」。その方が工事の目的を整理しやすくなります。

 

 

アパート・マンションの工事は「何のために行うか」から考える

 

アパート・マンションの工事について相談する様子

 

修繕・リフォーム・リノベーションにはそれぞれ違いがありますが、オーナーにとって重要なのは、名称を正確に使い分けることではありません。

 

「傷んでいる部分を直して建物を維持したい」のであれば、まず必要な修繕を考える。

「退去後の部屋をきれいにして、次の入居に備えたい」のであれば、リフォームも選択肢に入れる。

「今後の入居を考えて、間取りや機能、物件の印象まで変えたい」なら、リノベーションまで視野を広げる。

 

このように目的から考えると、必要な工事を整理しやすくなります。

 

もちろん、一つの物件でこれらを組み合わせる方法もあります。建物の状態や入居状況、今後その物件をどのように運用していくかによって、選択肢は変わってくるでしょう。

工事の名前から決めるのではなく、まず「どこに困っているのか」「工事によって何を変えたいのか」を整理する。そこから考えることで、必要な工事の範囲も見えやすくなります。

 

建物の状態に合わせて工事の優先順位を考える方法については、「修繕費を無駄にしないために|建物に合った工事と優先順位の考え方」でも詳しくご紹介しています。

 

リノベ・バンクでは、アパート・マンションの修繕をはじめ、リフォームやリノベーションのご相談も承っています。

「傷んだ部分を直したい」「せっかく工事するなら物件の印象も変えたい」など、工事内容がまだ具体的に決まっていない段階でもご相談いただけます。

 

気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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同じ場所を修繕したのに不具合が繰り返すのはなぜ?原因を考える修繕のポイント

 

リノベバンクのリール表紙。「前にも直したのに…同じ場所にまた不具合?」というタイトルと、雨漏りに困る人物のイラスト。

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アパートやマンションでは、一度修繕した場所に再び同じような不具合が現れることがあります。「以前も直した場所なのに」となると、前回の修繕に問題があったのではないかと考えてしまうかもしれません。

 

しかし、建物の不具合は、症状が現れている場所だけを見て原因を判断できるとは限りません。目に見えている場所と、実際に不具合を引き起こしている場所が離れている場合もあるためです。

 

特に、何度か修繕しているのに同じ症状を繰り返している場合は、「どこが傷んでいるか」だけでなく、「なぜここに症状が出ているのか」という視点も必要になります。

 

今回は、アパート・マンションで不具合が繰り返す理由を、雨漏りを例にしながら解説します。過去の修繕内容をどのように次の修繕へ生かすかについても見ていきます。

 

 

修繕した場所に同じ不具合が繰り返す理由

 

建物にシミやひび割れ、剥がれなどが見つかれば、まずは症状が現れている部分に目が向きます。実際の修繕でも、その部分への補修が必要になるケースは少なくありません。

 

一方で、建物の不具合には、別の場所で起きている劣化や雨水の浸入などが影響している場合もあります。目に見える症状は、建物の中で起きている問題が表面に現れた「結果」という見方もできます。

 

そのため、表面に現れた部分を補修しても、原因となる部分が別にあれば、時間が経ってから似た症状が再び現れる可能性があります。

 

また、前回の修繕から年月が経っていれば、その間に別の部分で劣化が進んでいることも考慮したいところです。以前と同じ場所に同じような症状が出ていても、原因まで同じとは限りません。

 

繰り返す不具合では、目に見える症状と原因を分けて考えることが、修繕方法を検討するうえでひとつのポイントになります。

 

 

 

雨漏りは症状が出た場所と原因箇所が違う場合がある

 

症状と原因の位置が一致しない例として、わかりやすいのが雨漏りです。

 

天井のシミの真上が雨漏りの原因とは限らない

 

屋根から入った雨水が建物内部を伝い、離れた場所の天井にシミとして現れる様子を示した図解

 

天井に雨漏りのシミが見つかると、その真上にある屋根などから雨水が入ったように見えます。しかし、雨水の浸入口として考えられるのは屋根だけではなく、外壁や窓まわり、建物の部材が接する部分などさまざまです。

 

入り込んだ雨水は建物の内部を伝って移動するため、浸入口から離れた場所にシミや水漏れとして現れる場合があります。つまり、室内で水が出てきた場所と、建物の外から雨水が入った場所が一致しているとは限らないのです。

 

このような雨水の動きを考えず、シミが現れた場所だけを補修しても、雨水の入口が別の場所に残っていれば再発につながる可能性があります。

 

雨漏りの原因として考えられるコーキングの劣化については、「アパートの雨漏り・天井シミの原因はコーキング劣化?梅雨明けに動くべき理由」でもご紹介しています。こちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

前回と同じ症状でも原因が変わっている場合がある

 

もうひとつ考えておきたいのが、建物は時間とともに変化しているという点です。

 

屋根や外壁、窓まわりなどは、日々、雨風や紫外線、気温の変化を受けています。前回の修繕時には問題がなかった部分でも、数年後には劣化が進んでいるかもしれません。

 

そのため、「以前と同じ場所にシミが出た」という情報だけで、前回と同じ原因だと判断するのは難しい場合があります。以前補修した箇所とは別の場所から雨水が入り、結果として同じ場所に症状が現れることも考えられるからです。

 

過去の修繕内容は重要な情報ですが、それだけで今回の原因を決めるのではなく、現在の症状とあわせて考える必要があります。

 

 

不具合が再発したときに確認したい過去の修繕履歴

 

同じような不具合が繰り返している場合、原因を考える材料のひとつになるのが過去の修繕履歴です。

 

見積書や工事写真から前回の修繕内容を確認する

 

複数の工事見積書

 

以前に工事をしている場合は、見積書や工事写真、報告書などから、どの場所にどのような修繕を行ったのかを振り返ることができます。

 

たとえば、前回は症状が出ていた部分だけを補修したのか、その周辺まで手を入れたのかによっても状況は異なります。また、今回の症状が前回とまったく同じ位置なのか、少し離れているのかも判断材料のひとつです。

 

工事から時間が経つと、当時の内容を記憶だけで振り返るのは難しくなります。見積書や写真などの記録が残っていれば、過去と現在の違いを整理しやすくなります。

 

修繕の見積書を確認するときのポイントについては、「はじめての見積書の読み方 〜妥当かどうかを確認するポイント〜」でも解説しています。見積書の内容を整理する際の参考にしてみてください。

 

 

不具合が起きた時期や状況も記録しておく

 

スマートフォンで写真を撮影する人物

 

工事の記録とあわせて、不具合が起きたときの状況も残しておくと役立ちます。

 

雨漏りであれば、通常の雨でも発生するのか、強い雨や風を伴うときに限って起こるのか、長時間雨が降ったあとに現れるのかなど、発生する条件はさまざまです。

 

症状が出た日時や場所、そのときの様子を写真に残しておけば、後から状況を振り返る際にも使えます。毎回詳しく記録する必要はなく、気づいた範囲で残しておくだけでも、修繕を相談するときの情報になります。

 

 

繰り返す不具合は原因を踏まえて修繕方法を考える

建物の外壁や窓まわりを点検する作業員

 

一度直した場所に再び不具合が出ると、「また同じ場所を修繕すればよい」と考えやすくなります。しかし、ここまで見てきたように、症状が同じでも原因まで同じとは限りません。

 

特に雨漏りのような不具合では、症状が現れている場所だけでなく、雨水がどこから入り、どのように建物内部を伝ってきたのかという視点が必要です。

 

これは雨漏りに限った話ではありません。建物の不具合を繰り返している場合は、見えている部分だけにとらわれず、周辺の劣化や過去の修繕内容も含めて考えることで、今回必要な修繕を整理しやすくなります。

 

修繕は、傷んだ部分をきれいにするだけではなく、不具合の原因に合わせて方法や範囲を考えるものです。同じ場所を何度も直しているときこそ、「なぜ繰り返しているのか」という視点を持っておきたいところです。

 

まとめ|同じ場所の不具合が繰り返すときは原因にも目を向ける

 

 

アパート・マンションで一度修繕した場所に同じような不具合が出ても、前回と同じ原因とは限りません。

 

雨漏りでは、雨水が建物内部を伝い、浸入口とは離れた場所に症状が現れる場合があります。また、前回の修繕から時間が経つ間に、別の場所で劣化が進んでいる可能性も考える必要があります。

 

過去の見積書や工事写真、不具合が発生したときの記録は、こうした原因を考える際の手がかりになります。

 

同じ場所で不具合を繰り返しているときは、目に見えている部分だけで判断せず、「なぜここに症状が出ているのか」まで考えたうえで、必要な修繕を検討していきましょう。

 

原因を踏まえて修繕方法や工事の優先順位を考える際には、「修繕費を無駄にしないために|建物に合った工事と優先順位の考え方」も参考にしてみてください。建物の状態に合わせた修繕の考え方をご紹介しています。

 

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防災の日に考える|災害から賃貸物件を守るためにオーナーが確認したい5つのこと

 

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「防災の日」と書かれた文字と9月のカレンダー

 

9月1日は「防災の日」です。

地震や台風、豪雨などの自然災害は、賃貸物件にもさまざまな被害をもたらします。

物件のある地域の災害リスクを知ること、建物の状態を確認すること、被災後の動きを整理しておくこと。平時のうちに確認できることは、意外と身近なところにあります。

今回は「防災の日」をきっかけに、災害から賃貸物件を守るためにオーナーが確認しておきたい5つのポイントを整理します。

 

① ハザードマップで物件周辺の災害リスクを確認する

 

災害への備えを考えるとき、まず把握しておきたいのが「所有物件のある地域に、どのような災害リスクがあるか」です。

河川の近くなら洪水、低地なら浸水、傾斜地の近くなら土砂災害。物件の立地によって、想定される災害も変わってきます。

こうした地域ごとの災害リスクを確認できるのが、国や自治体が公開しているハザードマップです。

 

 

ハザードマップで確認したいこと

 

地図を見ながら地域の情報を確認する様子

 

 

ハザードマップでは、

・洪水や浸水の想定区域
・土砂災害の警戒区域
・高潮や津波のリスク
・避難場所や避難所

などを確認できます。

 

物件周辺のリスクが分かれば、「浸水への備えを確認する」「入居者に案内できるよう避難場所を把握しておく」など、物件に合わせた対策も考えやすくなります。

まずは所有物件の立地をハザードマップで確認し、どのような災害が想定されているのか把握しておきたいところです。

 

 

② アパート・マンションの建物と外構を点検する

 

地域のリスクを確認したら、次は建物そのものにも目を向けてみます。

普段は小さな劣化でも、地震や強風が加わると状況は変わります。屋根材の飛散や外壁材の落下など、周囲を巻き込む被害につながるケースも考えられます。

 

災害前に確認しておきたい場所

 

 

ひび割れや破損が見られるブロック塀

 

たとえば、

・外壁にひび割れや浮きはないか
・屋根材にズレや破損はないか
・外階段や手すりにサビやぐらつきはないか
・ブロック塀やフェンスに傾き・ひび割れはないか
・雨どいや排水設備に詰まりや破損はないか

など、建物本体だけでなく外構や共用部まで確認します。

 

特にブロック塀や外壁などは、災害時に倒れたり落下したりすると、入居者だけでなく通行人や近隣の建物・車などに被害が及ぶ可能性も。

普段の建物管理とは少し視点を変えて、「災害が起きたときに危険につながる場所はないか」という目線で見てみると、気づけることも変わってきます。

 

台風前の建物チェックはこちら。
関連記事▶︎ アパート・マンションの台風対策|ゲリラ豪雨の前に確認したい建物のチェックポイント

 

 

③ 地震や台風による二次被害まで考えておく

 

災害が発生したあとには、建物の損傷をきっかけに二次被害が起こるケースもあります。

たとえば、地震で設備や配管が損傷し、その後に漏水が発生する。強風で外壁が損傷し、時間が経ってから外壁材が落下する。こうした被害も想定しておきたいところです。

 

被災後は「被害を広げない」視点も

 

建物の外壁を確認する作業員

 

 

災害後に建物の異変が見つかった場合は、そのままにせず、状態を確認して必要な対応につなげます。

ただし、屋根や高所、破損した設備などをオーナー自身で確認するのは危険です。安全を確保したうえで、管理会社や専門業者に確認を依頼します。

日頃から建物の状態を把握しておくことは、災害前の備えだけでなく、被災後の変化に気づくうえでも役立ちます。

 

建物の劣化についてはこちら。
関連記事▶︎ 修繕は突然必要になる?〜建物の劣化の進み方〜

自然災害とオーナー責任についてはこちら。
関連記事▶︎ 自然災害でもオーナーの責任になる?台風・豪雨による被害と修繕費・損害賠償を解説

 

 

④ 火災保険・地震保険の補償内容を確認する

 

建物の状態とあわせて、保険の契約内容も確認しておきたい項目です。

火災保険は、契約内容によって火災だけでなく、台風などによる風災や洪水・浸水などの水災が補償される場合があります。

一方、地震・噴火・津波を原因とする損害は、原則として火災保険の補償対象外です。地震による損害に備える場合は、地震保険の加入状況や補償内容も確認しておきます。

 

保険証券で確認したいポイント

 

保険と書かれた積み木と電卓

 

・風災・水災は補償されるか
・地震保険に加入しているか
・免責金額はいくらか
・建物のどこまでが補償対象か

 

「火災保険に入っている」だけでは、実際にどこまで補償されるのかは分かりません。

所有物件で想定される災害と照らし合わせながら、現在の契約内容を見ておくと安心です。

 

火災保険の風災・水災についてはこちら。
関連記事▶︎ 火災保険は台風・豪雨も対象になる?風災・水災の違いと確認ポイント

 

⑤ 被災後の連絡先と復旧までの流れを整理する

 

 

災害前の対策とあわせて考えておきたいのが、被災後、どう復旧へ動くかです。

賃貸物件に被害が出た場合は、建物の状態を確認し、必要な修繕や保険の手続きを進めていくことになります。

大きな災害の直後は、修繕会社や保険会社への問い合わせが集中することも。被災してから連絡先を探すより、平時のうちに整理しておく方がスムーズです。

 

「何かあったら、まずどこへ連絡するか」を決めておく

 

 

スマートフォンと手帳を確認する様子

 

たとえば、

・管理会社
・修繕会社
・保険会社
・設備ごとの連絡先

など、物件に関係する連絡先を確認しておきます。

 

被害が出た場合は、安全な範囲で建物や設備の状態を写真に残しておくと、その後の修繕や保険の手続きを進める際にも役立ちます。

被害の確認から修繕、復旧まで、どのように動くか。平時のうちに流れを整理しておくことで、被災後の対応を進めやすくなります。

 

管理会社との連携についてはこちら。
関連記事▶︎ 管理会社をもっと味方にする方法|アパートオーナーが知っておきたいコミュニケーションのコツ

 

防災の日を、所有物件を見直すきっかけに

 

物件周辺の災害リスク、建物や外構の状態、保険の補償内容、被災後の連絡先。

防災の日は、こうした「所有物件の今」をまとめて確認する機会にもなります。

建物は時間とともに状態が変化します。以前の点検では問題がなかった場所でも、年月が経てば劣化が進んでいるかもしれません。

ハザードマップや保険証券など、手元で確認できるところから見直し、建物については気になる場所がないかチェックしてみてください。

屋根や外壁、高所など、ご自身では確認しにくい場所もあります。

建物の状態で気になることがあれば、修繕を決める前の段階でも構いません。まずは現在の状態を確認するところからご相談ください。

 

 

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火災保険は台風・豪雨も対象になる?風災・水災の違いと確認ポイント

 

火災保険の文字と家の模型

 

「火災保険」という名前から、火事のときに使う保険というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

 

実は火災保険は、契約内容によって台風や豪雨による建物の被害も補償の対象になります。ただし、「台風で壊れたから火災保険が使える」と一律に決まるわけではありません。

ポイントになるのが、「何が原因で被害が起きたのか」、そして「どの補償を付けているのか」です。

 

台風や豪雨が増える時期に、賃貸オーナーとして知っておきたい火災保険の基本を整理してみましょう。

 

 

 

台風による被害も火災保険で補償される?

 

日本列島と台風の進路を示したイメージ

 

 

台風による建物被害には、強風、豪雨、落雷など、さまざまな原因があります。

火災保険では「台風」というひとつの項目で補償するのではなく、被害の原因に応じて「風災」「水災」「落雷」などの補償を確認します。

 

たとえば、同じ台風の日に起きた被害でも、

・強風で屋根材が飛んだ
・飛来物によって窓ガラスが割れた
・大雨で川が氾濫し、建物が浸水した
・落雷によって建物の設備が壊れた

では、それぞれ確認する補償が異なります。

 

まずは「台風だったかどうか」ではなく、「どのような原因で、どのような被害が出たのか」を見ることがポイントです。

 

 

 

台風で確認したい「風災」と「水災」の違い

 

 

台風・豪雨への備えとして特に知っておきたいのが、「風災」と「水災」です。

名前は似ていますが、補償する被害は異なります。

 

 

風災|強い風によって起きた被害

 

強風を受けて大きく揺れる木

 

風災とは、台風や暴風などの強い風によって建物に生じた損害です。

 

たとえば、

・強風で屋根材が飛んだ
・強風による飛来物で外壁が破損した
・風で窓ガラスが割れた
・台風で屋根が破損し、そこから雨水が入った

といったケースが考えられます。

 

ここで覚えておきたいのが、「雨漏り=水災とは限らない」ことです。

台風の強風で屋根が壊れ、その破損箇所から雨水が入ったのであれば、原因は「風」によるものです。そのため、風災として扱われる場合があります。

「水が入ったから水災」と考えるのではなく、被害のきっかけを見ると分かりやすくなります。

 

 

水災|洪水や浸水、土砂崩れなどによる被害

 

大雨で増水し激しく流れる川

 

水災は、台風や豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどで建物に生じた損害です。

 

たとえば、

・豪雨で川が氾濫し、建物が浸水した
・大雨によって床上浸水した
・豪雨による土砂崩れで建物が損傷した

といったケースが該当します。

 

ただし、火災保険に加入していれば、必ず水災まで補償されているわけではありません。契約するプランによっては水災補償が付いていない場合もあります。

 

また、水災補償が付いていても、損害の程度などについて保険金の支払条件が設定されていることがあります。条件は保険会社や商品、契約内容によって異なるため、保険証券などで確認しておくことが大切です。

 

 

 

同じ雨漏りでも火災保険の対象にならないことがある

 

 

台風のあとに雨漏りが見つかると、「台風による被害だから火災保険が使える」と考えたくなるかもしれません。

しかし、ここでも重要になるのが被害の原因です。

 

 

台風による破損と経年劣化は分けて考える

 

屋根材が剥がれ破損している屋根

 

たとえば、台風の強風で屋根材が破損し、そこから雨漏りが発生した場合は、風災による損害として補償される可能性があります。

一方、以前から屋根や外壁が劣化しており、その劣化部分から雨水が入り込んだ場合は、経年劣化が原因と判断され、補償の対象にならないことがあります。

 

つまり、

「台風のときに雨漏りした」ことと、「台風によって雨漏りした」ことは同じではありません。

この違いは、建物を所有するオーナーとして知っておきたいポイントです。

 

普段から屋根や外壁などの状態を確認し、不具合があれば必要な補修をしておくことは、台風対策だけでなく、被害が起きた際に原因を整理するうえでも役立ちます。

 

台風や豪雨による被害では、火災保険だけでなく、修繕費を誰が負担するのか、オーナーの責任が問われるのかも気になるところです。詳しくは、「自然災害でもオーナーの責任になる?台風・豪雨による被害と修繕費・損害賠償を解説」でご紹介しています。

 

 

 

火災保険に入っていれば安心、ではありません

 

 

長く物件を所有していると、「火災保険には入っているけれど、詳しい補償内容までは覚えていない」ということもあるでしょう。

しかし、保険は加入していることだけでなく、「何が補償される契約なのかを知っておくこと」が大切です。

 

 

今、確認しておきたい5つのポイント

 

チェックリストとペン

 

保険証券や契約内容を確認するときは、次のようなポイントを見てみましょう。

 

・風災が補償されているか
・水災が補償されているか
・どのような損害が補償の対象になるか
・免責金額(自己負担額)が設定されているか
・被害が発生した場合の連絡先はどこか

 

分からない部分があれば、契約している保険会社や代理店に確認しておくと安心です。

なお、地震・噴火・津波を原因とする損害は、基本的に火災保険では補償されません。これらに備える場合は、地震保険についても確認が必要です。

 

 

 

台風への備えは「建物」と「保険」の両方から

 

 

台風や豪雨そのものを防ぐことはできません。だからこそ、台風や豪雨への備えとして、屋根や外壁、雨どい、排水口などの建物の状態を確認するとともに、万が一被害が出たときの備えも確認しておきたいところです。

 

保険の確認とあわせて、建物側の備えも大切です。屋根や外壁、雨どい、排水口など、台風・豪雨の前に確認しておきたい場所は、「アパート・マンションの台風対策|ゲリラ豪雨の前に確認したい建物のチェックポイント」で詳しくご紹介しています。

 

火災保険についても、「加入しているから大丈夫」で終わらせず、一度保険証券を開いてみる。

風災は付いているか。水災はどうか。自己負担はいくらか。

数分の確認でも、いざというときの動きやすさは変わります。建物の点検と保険内容の確認。この2つを日頃から確認しておくことが、大切な物件を守る備えにつながります。

 

 

※火災保険の補償内容や保険金の支払条件は、保険会社・商品・契約内容によって異なります。
本記事は一般的な情報をもとにご紹介しています。詳しくは、ご加入の保険会社または保険代理店へご確認ください。

 

 

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自然災害でもオーナーの責任になる?台風・豪雨による被害と修繕費・損害賠償を解説

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大きくひび割れた網入りガラス

 

台風や豪雨によって、窓ガラスが割れたり、アパートやマンションが浸水したりした場合、その修繕費は誰が負担するのでしょうか。また、建物の一部が飛散して第三者に被害を与えたり、浸水によって入居者の家財が損害を受けたりした場合、オーナーが損害賠償を求められることはあるのでしょうか。

 

「自然災害による被害だから、オーナーに責任はない」とは限りません。被害の原因や、それまでの建物の管理状況によっては、オーナーが修繕費を負担したり、損害賠償責任を問われたりするケースがあります。

 

今回は、自然災害による被害が発生した際のオーナーの責任について、具体的なケースを交えながら解説します。

 

 

 

台風や豪雨で建物が壊れたら修繕費は誰が負担する?

 

 

自然災害による修繕費や責任について考えるイメージ

 

まず整理しておきたいのが、台風や豪雨によって賃貸物件そのものが壊れた場合です。民法では、賃貸人は入居者が建物を使用するために必要な修繕を行う義務を負うと定められています。

そのため、台風の強風で窓ガラスが割れた、屋根の一部が破損した、豪雨によって建物に被害が出たといった場合、入居者に原因がなければ、基本的にはオーナー側が必要な修繕を行います。

 

ここで注意したいのが、「オーナーが修繕すること」と「オーナーの管理に落ち度があったこと」は同じではないという点です。自然災害によって建物が壊れ、オーナーが修繕費を負担することになったからといって、必ずしもオーナーの管理不足が原因というわけではありません。

一方で、災害前から建物に不具合があり、それを把握しながら対応していなかった場合には、話が変わってきます。

 

 

 

管理不足が重なると損害賠償の問題になることも

 

 

注意を示すマークを指さす手

 

台風や豪雨による被害は、建物だけにとどまるとは限りません。

 

例えば、外壁材が落下して人や車に当たったり、雨水が室内へ入り入居者の家財が壊れたりすることも考えられます。建物に通常備えておくべき安全性が欠けていて、それによって他人に損害を与えた場合には、建物の所有者が責任を問われる可能性があります。

 

ポイントになるのは、自然災害そのものによる被害なのか、以前からあった劣化や管理上の問題が被害につながったのかという点です。

では、実際にどのようなケースが考えられるのでしょうか。

 

 

 

ケース1|台風で窓ガラスが割れ、室内の家財が濡れた

 

ひび割れ部分をテープで補修したガラス

 

強い台風によって突然窓ガラスが割れた場合、台風そのものが原因であれば、オーナーの管理不備による被害とはいえないケースがあります。

 

しかし、以前から窓ガラスにひびが入っていたり、サッシが劣化していたりして、入居者から修理の相談を受けていたにもかかわらず対応していなかった場合はどうでしょうか。その不具合を放置していたことによって被害が大きくなったと判断されれば、入居者の家財などに生じた損害についても、オーナーの責任が問われる可能性があります。

 

同じ「台風で窓ガラスが割れた」という結果でも、台風前の建物の状態や対応によって責任の有無が変わるということです。

 

 

ケース2|豪雨で排水できず、1階が浸水した

 

落ち葉やゴミがたまった道路脇の側溝

 

近年は短時間に大量の雨が降り、道路や建物が浸水するケースも見られます。

 

排水設備の能力を大きく超えるような豪雨であれば、日頃から適切に管理していても浸水を防げないことがあります。一方で、排水口や側溝に落ち葉やゴミがたまり、水が流れにくい状態だったことが浸水につながった場合には、管理状況が問題になる可能性があります。

 

排水口や側溝は、豪雨そのものを防ぐ設備ではありません。しかし、正常に排水できる状態を保つことは、日頃の建物管理で対応できる部分です。「大雨だったから浸水した」と考えるだけでなく、雨が降る前に排水できる状態だったかも確認しておきたいポイントです。

 

 

ケース3|強風で外壁の一部が落下した

 

外壁の一部が大きく剥がれ下地が露出した建物

 

台風では、屋根材や外壁材などが強風によって飛散することがあります。もし飛散した部材が通行人に当たったり、近隣の建物や車を傷つけたりすれば、建物以外にも被害が広がります。

 

この場合も、台風前から外壁に大きなひび割れや浮き、剥がれなどがあり、その状態を把握しながら放置していたとなれば、管理上の問題を問われる可能性があります。外壁の劣化は、見た目だけの問題ではありません。台風などの強風をきっかけに、周囲への被害につながることも考えておく必要があります。

 

外壁のひび割れは、放置すると劣化が進み、補修範囲が広がることもあります。ひび割れが起こる原因や確認ポイントについては、「外壁のひび割れはなぜ起きる?進行の流れと補修範囲が広がる理由」でも詳しく解説しています。

 

 

 

「自然災害だから仕方ない」で終わらせないために

 

 

チェック項目が並んだ用紙と虫眼鏡

 

ここまでの3つのケースに共通しているのは、災害が起きる前の建物の状態です。台風の進路を変えることも、豪雨を止めることもできません。

 

一方で、

・外壁や屋根に気になる劣化がないか
・雨どいや排水口が詰まっていないか
・入居者から不具合の連絡が届いていないか
・修繕が必要な場所をそのままにしていないか

といったことは、災害が起きる前に確認できます。

 

特に入居者から修理や不具合について連絡を受けている場合は、「そのうち確認しよう」と後回しにせず、まず状態を確認することが大切です。また、点検した日や確認した場所、不具合の状態、修繕した内容などを写真とともに残しておけば、建物の状態や対応の経過も振り返りやすくなります。

 

台風やゲリラ豪雨の前に確認しておきたい場所については、「アパート・マンションの台風対策|ゲリラ豪雨の前に確認したい建物のチェックポイント」で詳しくまとめています。屋根や外壁、雨どい、排水口など、台風シーズン前の点検にお役立てください。

 

 

 

台風シーズン前の点検がオーナー自身を守る

 

 

建物の外壁を確認する作業員とオーナー

 

日頃の点検というと、「建物を長持ちさせるため」「大きな修繕を防ぐため」というイメージがあるかもしれません。しかし、自然災害への備えという視点では、それだけではありません。建物の状態を把握し、必要な場所に手を入れておくことは、入居者や周囲への被害を防ぎ、オーナー自身のリスクを減らすことにもつながります。

台風シーズン前には、屋根や外壁、雨どい、排水口、側溝など、風雨の影響を受けやすい場所を一度確認しておくと安心です。

 

ただし、屋根や高所などをオーナー自身で確認するのは危険です。見えにくい場所や気になる劣化がある場合は、専門業者による点検も検討してみてください。

リノベバンクでは、アパート・マンションの修繕だけでなく、「今の建物がどのような状態なのか」という段階からご相談いただけます。自然災害は防げなくても、事前に確認できることはあります。

 

台風シーズンに限らず、建物の状態を定期的に確認しておくことも大切です。日頃の建物管理については、「建物管理で確認しておきたい3つのポイント」でもご紹介しています。

 

 

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台風前に入居者へ伝えておきたいこと|賃貸オーナーができる台風対策

 

台風への注意を呼びかけるイメージ

 

 

台風や大雨への備えというと、屋根や外壁、雨どいなど、建物の点検を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん建物の確認は大切です。しかし、アパートやマンションでは、入居者に協力してもらうことで防ぎやすくなる被害もあります。

 

たとえば、ベランダに置かれた植木鉢や物干し竿。普段は問題がなくても、台風の強風で飛ばされれば、窓ガラスや建物を傷つける原因になります。また、ベランダの排水口に落ち葉やゴミがたまっていると、大雨の際に水が流れにくくなり、浸水や漏水につながることもあります。

 

次の台風が近づいてから慌てるのではなく、余裕のあるうちに入居者へ案内しておくことも、賃貸物件の台風対策のひとつです。今回は、アパート・マンションのオーナーが、台風に備えて入居者へ伝えておきたいことを整理します。

 

 

 

 

台風対策は建物の点検だけではありません

 

 

アパート・マンションの入居者向け掲示板

 

 

オーナー側で屋根や外壁、雨どい、共用部などを確認していても、各住戸のベランダや窓まわりまで日常的に確認することは難しいものです。

 

そこで大切になるのが、入居者への事前案内です。「ベランダに飛ばされそうな物がないか」「排水口が詰まっていないか」こうした確認は、実際に生活している入居者だからこそできることでもあります。

 

特に台風では、強い風と大量の雨が同時に建物へ影響します。普段の雨では問題のなかった場所でも、強風で物が飛ばされたり、短時間の大雨で排水が追いつかなくなったりすることがあります。

 

建物側の対策と入居者側の対策。その両方を行っておくことが、被害を小さくするための備えになります。

 

 

 

 

台風前に入居者へ伝えておきたいこと

 

 

では、具体的にどのようなことを伝えればよいのでしょうか。

 

難しいお願いをたくさん並べる必要はありません。入居者自身で確認できる身近なところから伝えていきます。

 

 

ベランダの飛ばされやすい物を室内へ

 

アパート・マンションのベランダに置かれた植木鉢

 

植木鉢、サンダル、物干し竿、掃除道具など、ベランダには意外と多くの物が置かれています。台風の強風では、普段なら動かないような物が飛ばされることがあります。

 

飛散した物が窓ガラスを割ったり、隣の住戸や周辺の建物、車などを傷つけたりする可能性もあります。台風が近づく前に、室内へ移動できる物は片付けてもらうよう伝えておくと安心です。

 

 

ベランダの排水口を確認してもらう

 

落ち葉やゴミがたまったベランダの排水口

 

もうひとつ確認しておきたいのが、ベランダの排水口です。落ち葉や土、ゴミなどがたまっていると、大雨が降ったときに雨水がうまく流れなくなることがあります。

 

水がたまると、室内への浸水や階下への漏水につながることもあるため、台風前には排水口まわりのゴミを取り除いてもらいます。植木鉢を置いているベランダでは、土や枯れ葉が流れて排水口付近にたまっていないかも確認してもらうとよいでしょう。

 

 

窓・雨戸・シャッターを確認してもらう

 

アパート・マンションのベランダに設置された窓シャッター

 

台風が近づいたら、窓をしっかり閉め、雨戸やシャッターがある住戸では閉めてもらいます。

 

普段あまり雨戸やシャッターを使わない住戸では、「いざ閉めようと思ったら動かない」ということも考えられます。台風が直前まで迫ってからではなく、早めに一度動かして確認してもらうことも大切です。

 

 

強風時はベランダに出ない

 

 

「物が飛びそうだから」「排水口が気になるから」と、台風の最中にベランダへ出るのは危険です。

 

片付けや掃除は台風が接近する前に済ませ、風雨が強くなってからは無理に外へ出ないよう伝えておきます。建物を守ることも大切ですが、何より優先したいのは入居者の安全です。

 

 

 

 

「異変があれば連絡を」まで伝えておく

 

 

スマートフォンで管理会社へ連絡するイメージ

 

台風前の案内には、片付けや掃除のお願いだけでなく、「気になることがあれば管理会社へ連絡してください」という一文も加えておきたいところです。

 

たとえば、

・窓やサッシまわりから水が入ってくる
・天井や壁にシミがある
・ベランダの水が流れにくい
・雨戸やシャッターが動かない
・外壁や屋根などに気になる箇所が見える

 

こうした入居者からの情報が、建物の不具合に気づくきっかけになることがあります。台風が来る前に分かれば、状況によっては事前に確認や補修ができる場合もあります。

 

「何かあったら連絡してください」だけではなく、どのような異変を知らせてほしいのかまで具体的に伝えておくと、入居者も判断しやすくなります。

 

 

 

 

いつ、どうやって入居者へ伝える?

 

 

台風の進路や勢力が分かってからでは、入居者がベランダの片付けや確認をする時間を十分に取れないこともあります。

 

そのため、台風シーズン中はあらかじめ注意点を共有しておき、大型の台風や大雨が予想される場合には、必要に応じて改めて案内する方法があります。

 

掲示板への掲示、ポストへの案内、メールや入居者向けアプリなど、物件の管理方法に合った手段で伝えておくとよいでしょう。大切なのは、入居者が安全に準備できる時間を確保して案内することです。

 

 

 

 

管理会社とも事前に確認しておく

 

 

賃貸物件の管理について管理会社と相談するイメージ

 

管理会社に物件管理を任せている場合、オーナー自身がすべての入居者へ直接連絡する必要はありません。

 

「台風前の注意喚起はどのように行っているか」
「入居者から異変の連絡があった場合はどう対応するか」
「緊急時の連絡先は入居者に伝わっているか」

 

こうした点を管理会社と確認しておくと、いざというときの動きも分かりやすくなります。

 

管理会社に任せている場合でも、どのような対応になっているのかをオーナーも把握しておくことがポイントです。

 

 

管理会社との日頃の連携については、「管理会社をもっと味方にする方法|アパートオーナーが知っておきたいコミュニケーションのコツ」でもご紹介しています。こちらの記事も参考にしてみてください。

 

 

 

入居者へのひと声も、建物を守る台風対策です

 

 

台風や豪雨そのものを防ぐことはできません。しかし、ベランダの物を片付ける、排水口を掃除する、窓や雨戸を確認するなど、事前にできることはあります。そして、こうした対策には入居者の協力が欠かせません。

 

建物の状態を確認することと、入居者へ必要な情報を伝えておくこと。どちらか一方ではなく、両方を台風への備えとして考えておくことが大切です。

 

入居者から建物について気になる声が届いたときや、屋根・外壁・雨どいなど自分では確認しにくい場所があるときは、修繕会社など専門家へ相談する方法もあります。

 

次の台風や大雨に備えて、まずは今できることから確認してみてはいかがでしょうか。

 


台風や大雨に備えて、建物の雨水を流す雨どいの状態も確認しておきたいところです。雨どいの役割や点検ポイントについては、「雨どいの役割とは?アパートの建物を守る仕組みと点検のポイント」も参考にしてみてください。

 

 

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