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築年数を重ねたマンションを、これからも長く使っていくためには、どのように手を入れていけばよいのでしょうか。
前回のコラムでは、築年数だけでは見えない建物の価値についてご紹介しました。自分の物件をあらためて見てみると、築年数という数字だけでは分からない、その建物ならではの良さや特徴に気づくことができます。
では、そうした良さを、これからの建物運営にどう活かしていけばよいのでしょうか。
今回は、「今あるものを活かしながら、これからの建物に必要な手を入れていく考え方」をご紹介します。
①|今あるものを、どう活かす?

築年数が進んでくると、外壁や防水、設備など、少しずつ手を入れたい場所が増えてきます。建物を長く使っていくためには、こうした劣化への対応が欠かせません。
ただ、マンションに手を入れる目的は、古くなった部分を新しくすることだけではありません。
国土交通省の「マンション管理・再生ポータルサイト」では、マンションの性能や機能を維持・回復するための「修繕」と、現在の居住水準や社会的なニーズに合わせて性能・機能を向上させる「改修」が紹介されています。
築年数を重ねた建物だからこそ、「今あるものを活かしながら、その建物に必要な手を加えていく」という考え方ができます。
②|「残す・直す・高める」で考える
では、自分のマンションではどこに、どのような手を入れていくのか。ここでは分かりやすく、「残す・直す・高める」という3つに分けて考えてみます。
残す
マンションに手を入れるときは、建物全体を同じように変えていくのではなく、今あるものの中から、これからも活かしていく部分を考えます。
今の状態で十分に使える部分や、その建物らしさにつながっている部分は、活かしながら次につなげていくことができます。
「何を変えるかだけでなく、何を残すか。」その両方を考えることで、改修する範囲や費用についても整理しやすくなります。
直す
外壁のひび割れや防水層の劣化、鉄部のサビ、設備の不具合など、年月とともに傷んだ部分には状態に応じた修繕が必要です。
国土交通省では「修繕」を、劣化した建物や設備の性能・機能を実用上支障のない状態まで回復させるものとして整理しています。
必要な性能や機能を維持・回復させる。これが「直す」という考え方です。
高める
建物がつくられた当時と現在では、住まいに求められる性能や設備も変わっています。
国土交通省では、性能や機能を現在のマンションに求められる水準へ向上させることを「改修」としています。省エネ性能やバリアフリー、防犯性、通信環境などを、今後の使われ方に合わせて見直すことがその例です。
「これからの暮らしに合わせて建物を更新していく。」これが「高める」にあたります。
③|何を残し、どこに手を入れる?

「残す・直す・高める」のどこに重点を置くかは、マンションによって異なります。
判断するときに考えたいのは、現在の建物の状態やこれまでの修繕履歴、今後どのくらい使っていきたいのかという建物運営の方向性です。賃貸マンションであれば、入居者ニーズや周辺の賃貸市場、費用とのバランスも関わってきます。
神戸市でも、マンションを安全で快適に使い続け、資産価値を保つために、建物の現状を把握したうえで計画的なメンテナンスを行い、将来を見据えて再生手法を検討することの重要性を示しています。
「築年数が進んだから変える」のではなく、このマンションをこれからどう運営していきたいのか。
その方向性を考えることで、残す部分、直す部分、高める部分を判断する一つの手がかりになります。
④|今ある良さを、これからにつなぐ
築年数を重ねた建物に手を入れるとき、新しくすることだけに目を向けると、その建物がこれまで持っていた良さまで失ってしまうかもしれません。
だからこそ、今あるものを活かしながら、必要なところには手を入れる。「これまで積み重ねてきたものと、これから必要なものをつないでいくこと」が、建物を長く活かしていく「再生」につながります。
築年数だけを基準に建物のこれからを決めるのではなく、「今ある良さをどう活かし、これから何を加えていくのか。」
長く所有してきたマンションだからこそ、そんな視点から今後の建物運営を考えてみてはいかがでしょうか。
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修繕・リフォーム・リノベーションの違いとは?アパート・マンションの工事を目的別に解説
参考資料
・国土交通省「マンション管理・再生ポータルサイト|マンション再生」
・神戸市「マンション管理適正化支援の補助事業」
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