自然災害でもオーナーの責任になる?台風・豪雨による被害と修繕費・損害賠償を解説
投稿日:2026.08.25

台風や豪雨によって、窓ガラスが割れたり、アパートやマンションが浸水したりした場合、その修繕費は誰が負担するのでしょうか。また、建物の一部が飛散して第三者に被害を与えたり、浸水によって入居者の家財が損害を受けたりした場合、オーナーが損害賠償を求められることはあるのでしょうか。
「自然災害による被害だから、オーナーに責任はない」とは限りません。被害の原因や、それまでの建物の管理状況によっては、オーナーが修繕費を負担したり、損害賠償責任を問われたりするケースがあります。
今回は、自然災害による被害が発生した際のオーナーの責任について、具体的なケースを交えながら解説します。
台風や豪雨で建物が壊れたら修繕費は誰が負担する?

まず整理しておきたいのが、台風や豪雨によって賃貸物件そのものが壊れた場合です。民法では、賃貸人は入居者が建物を使用するために必要な修繕を行う義務を負うと定められています。
そのため、台風の強風で窓ガラスが割れた、屋根の一部が破損した、豪雨によって建物に被害が出たといった場合、入居者に原因がなければ、基本的にはオーナー側が必要な修繕を行います。
ここで注意したいのが、「オーナーが修繕すること」と「オーナーの管理に落ち度があったこと」は同じではないという点です。自然災害によって建物が壊れ、オーナーが修繕費を負担することになったからといって、必ずしもオーナーの管理不足が原因というわけではありません。
一方で、災害前から建物に不具合があり、それを把握しながら対応していなかった場合には、話が変わってきます。
管理不足が重なると損害賠償の問題になることも

台風や豪雨による被害は、建物だけにとどまるとは限りません。
例えば、外壁材が落下して人や車に当たったり、雨水が室内へ入り入居者の家財が壊れたりすることも考えられます。建物に通常備えておくべき安全性が欠けていて、それによって他人に損害を与えた場合には、建物の所有者が責任を問われる可能性があります。
ポイントになるのは、自然災害そのものによる被害なのか、以前からあった劣化や管理上の問題が被害につながったのかという点です。
では、実際にどのようなケースが考えられるのでしょうか。
ケース1|台風で窓ガラスが割れ、室内の家財が濡れた

強い台風によって突然窓ガラスが割れた場合、台風そのものが原因であれば、オーナーの管理不備による被害とはいえないケースがあります。
しかし、以前から窓ガラスにひびが入っていたり、サッシが劣化していたりして、入居者から修理の相談を受けていたにもかかわらず対応していなかった場合はどうでしょうか。その不具合を放置していたことによって被害が大きくなったと判断されれば、入居者の家財などに生じた損害についても、オーナーの責任が問われる可能性があります。
同じ「台風で窓ガラスが割れた」という結果でも、台風前の建物の状態や対応によって責任の有無が変わるということです。
ケース2|豪雨で排水できず、1階が浸水した

近年は短時間に大量の雨が降り、道路や建物が浸水するケースも見られます。
排水設備の能力を大きく超えるような豪雨であれば、日頃から適切に管理していても浸水を防げないことがあります。一方で、排水口や側溝に落ち葉やゴミがたまり、水が流れにくい状態だったことが浸水につながった場合には、管理状況が問題になる可能性があります。
排水口や側溝は、豪雨そのものを防ぐ設備ではありません。しかし、正常に排水できる状態を保つことは、日頃の建物管理で対応できる部分です。「大雨だったから浸水した」と考えるだけでなく、雨が降る前に排水できる状態だったかも確認しておきたいポイントです。
ケース3|強風で外壁の一部が落下した

台風では、屋根材や外壁材などが強風によって飛散することがあります。もし飛散した部材が通行人に当たったり、近隣の建物や車を傷つけたりすれば、建物以外にも被害が広がります。
この場合も、台風前から外壁に大きなひび割れや浮き、剥がれなどがあり、その状態を把握しながら放置していたとなれば、管理上の問題を問われる可能性があります。外壁の劣化は、見た目だけの問題ではありません。台風などの強風をきっかけに、周囲への被害につながることも考えておく必要があります。
外壁のひび割れは、放置すると劣化が進み、補修範囲が広がることもあります。ひび割れが起こる原因や確認ポイントについては、「外壁のひび割れはなぜ起きる?進行の流れと補修範囲が広がる理由」でも詳しく解説しています。
「自然災害だから仕方ない」で終わらせないために

ここまでの3つのケースに共通しているのは、災害が起きる前の建物の状態です。台風の進路を変えることも、豪雨を止めることもできません。
一方で、
・外壁や屋根に気になる劣化がないか
・雨どいや排水口が詰まっていないか
・入居者から不具合の連絡が届いていないか
・修繕が必要な場所をそのままにしていないか
といったことは、災害が起きる前に確認できます。
特に入居者から修理や不具合について連絡を受けている場合は、「そのうち確認しよう」と後回しにせず、まず状態を確認することが大切です。また、点検した日や確認した場所、不具合の状態、修繕した内容などを写真とともに残しておけば、建物の状態や対応の経過も振り返りやすくなります。
台風やゲリラ豪雨の前に確認しておきたい場所については、「アパート・マンションの台風対策|ゲリラ豪雨の前に確認したい建物のチェックポイント」で詳しくまとめています。屋根や外壁、雨どい、排水口など、台風シーズン前の点検にお役立てください。
台風シーズン前の点検がオーナー自身を守る

日頃の点検というと、「建物を長持ちさせるため」「大きな修繕を防ぐため」というイメージがあるかもしれません。しかし、自然災害への備えという視点では、それだけではありません。建物の状態を把握し、必要な場所に手を入れておくことは、入居者や周囲への被害を防ぎ、オーナー自身のリスクを減らすことにもつながります。
台風シーズン前には、屋根や外壁、雨どい、排水口、側溝など、風雨の影響を受けやすい場所を一度確認しておくと安心です。
ただし、屋根や高所などをオーナー自身で確認するのは危険です。見えにくい場所や気になる劣化がある場合は、専門業者による点検も検討してみてください。
リノベバンクでは、アパート・マンションの修繕だけでなく、「今の建物がどのような状態なのか」という段階からご相談いただけます。自然災害は防げなくても、事前に確認できることはあります。
台風シーズンに限らず、建物の状態を定期的に確認しておくことも大切です。日頃の建物管理については、「建物管理で確認しておきたい3つのポイント」でもご紹介しています。
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