マンションの屋上防水、劣化に気づいていますか?見えないサインの確認方法

 

 

マンション屋上の防水層全体を撮影した写真

 

 

屋上は、外壁と違って、自分から上がらない限り一生目にすることのない場所です。だからこそ、マンションの屋上防水は劣化に気づくタイミングが大きく遅れやすい部分です。

 

 

 

 

屋上に上がったことのあるオーナーは、実は多くありません

 

 

地上から見上げたマンションの外観

 

 

外壁のひび割れや色あせは、通りを歩くだけで目に入ります。管理を任せているオーナーでも、外観の変化には自然と気づきます。

しかし屋上は違います。屋上に上がる機会は、点検や修繕の相談があったときくらいで、それ以外で自ら足を運ぶオーナーはほとんどいません。屋上は、建物の中でもっとも「見に行かれない」場所です。

 

 

管理を任せているほど、意識から外れていく

 

屋上のことは、管理会社からの報告で知るだけになりがちです。自分の目で確かめる機会をつくらない限り、状態を知らないまま時間が過ぎていきます。

管理を任せているからこそ、こちらから確認しようという意識が働きにくいのです。任せることと、状態を知らないままにすることは、本来別の話です。

 

 

 

 

屋上の防水層の劣化は、見た目には表れません

 

 

屋上を覆う防水層は、経年で少しずつ機能を失っていきます。ところが、劣化が進んでいても表面の見た目はほとんど変わりません。ひび割れや色あせのように、遠目でわかるサインが屋上にはないのです。

 

 

表面と内部のズレ

 

マンション屋上の防水層に生じた細かなひび割れ

 

 

表面が滑らかに見えても、内部ではすでに水を通しやすい状態になっていることもあります。見た目の印象と、実際の状態がずれやすいのが、屋上という場所の特徴です。

防水層の異常は、実際に近づいて確認しない限り見つかりません。

 

 

 

素人目でわかるサインが少ない

 

防水層が剥がれ下地が露出した屋上

 

 

外壁のひび割れは、離れた場所からでも視認できます。一方、防水層の劣化は、しゃがんで表面を見る、押してみるといった近距離での確認をしないと気づきにくいものです。

この差が、屋上を後回しにしやすい理由のひとつになっています。

 

このあたりの劣化の進み方については、「修繕は突然必要になる?〜建物の劣化の進み方〜」でも詳しく解説しています。

 

 

 

見えない場所ほど、進行してから気づく

 

防水層の劣化を放っておくと、やがて雨水が建物内部に入り込みます。

天井のシミや雨漏りとして症状が現れる頃には、防水層の劣化はすでにかなり進んでいます。

 

 

 

天井のシミが出る頃には

 

アパートの天井にできた雨漏りによるシミ

 

 

表に症状が出てから動くと、修繕範囲は広がり、費用もかさみます。部分的な補修で済んだはずの箇所が、放置している間に全面的な工事に変わることも珍しくありません。気づいたときにはすでに手遅れ、という状況を避けるためには、症状が出る前の段階で異変をつかんでおくことが大切です。

 

雨漏りが起きる仕組みについては、「雨漏り対策に!防水工事の重要性」でまとめています。

 

 

 

 

早く気づくほど、工事の選び方も広がります

 

 

工法を選べる余地

 

マンション屋上で防水工事を行っている様子

 

劣化が軽いうちに見つかれば、防水層の一部だけを直すという選択も可能です。全面的な工事に踏み切る前に、部分補修で様子を見るという判断ができます。

屋上防水にはいくつかの工法があり、施工範囲や下地の状態によって向き不向きがあります。選択肢が複数残っている段階であれば、費用や工期を比べながら決めることができますが、劣化が進んでからでは、対応できる工法がそもそも限られてしまいます。

 

 

時期を選べる余地

 

定期点検や工事の計画をイメージしたカレンダーと時計

 

 

次の大規模修繕まで様子を見る、費用の準備を整えてから動く。こうした時期の調整も、劣化が軽いうちなら選べます。反対に、劣化が進んでから見つかった場合は、選べる工法も時期も限られ、費用面でも融通が利きにくくなります。

早い段階で状態を把握しておくことは、工事そのものを回避する話ではなく、選択肢を手元に残しておくための備えだと考えています。

 

 

 

定期的に「上がってみる」ことが、修繕コストを左右する

 

 

屋上の劣化は、進行してから気づくものではなく、進行する前に確認しておくものです。年に一度、屋上の様子を見てもらう。それだけで、防水層の異常を早い段階で見つけられます。

早期に見つかった劣化は、部分的な補修で対応できることが多く、結果的に修繕費用を抑えることにもつながります。逆に、何年も屋上を確認していない物件ほど、次に手をつけるときの規模が大きくなりがちです。

 

屋根や屋上のように見えにくい場所の役割については、「〜見えにくい場所〜 屋根の修繕の役割」でも触れています。

 

 

確認の手間は、大きな工事より軽い

 

屋上防水の状態を点検する作業員

 

屋上を見てもらうこと自体は、大がかりな準備が必要な作業ではありません。数十分の確認で終わることも珍しくなく、負担としては決して大きくありません。それに比べて、劣化が進んでからの工事は、期間も費用も比べものにならないほど大きくなります。手間の小ささと、得られる安心を天秤にかければ、定期的に確認しておく方が理にかなっています。

 

見えない場所ほど、後回しにされがちです。しかし、見えないからこそ、定期的に確認する価値があります。

 

 

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